FIREという言葉を耳にする機会はすごく増えているように感じますし、実際「いくらあればFIRE可能」なんて記事を見る機会が増えています。
でも意外と税金や保険料の話はされてないように感じます。
わたしたち夫婦は40歳でFIREを目指して日々奮闘しているのですが、ふとFIRE後ってどのくらい税金がかかるのだろうと疑問に思い、計算してみることにしました。
そこでまずは全員が加入しなければならない国民健康保険料を計算しました。
その結果、夫婦2人+こども2人で年間75万円もかかることが分かりました。
この記事を読むことで、国民健康保険料の算出方法を理解でき、一般的な家族がFIREした後の保険料の目安を知ることができます。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
国民健康保険料の計算方法
国民健康保険の保険料は住民票上の世帯主と加入している方の前年度の収入で決まり、住民票上の世帯単位で算定、賦課されます。
また、加入者全体の総医療費等を基準に毎年保険料は変わります。
ん~。言葉が難しくてよくわからないよ。。
ざっくり言ってしまうと、国保の保険料は「前年度の収入」と「毎年変わる保険料率」の2つで決まるって思ってくれればOKだよ。
国民健康保険は使用用途別に医療分・支援分・介護分に分かれています。
それぞれの保険料を計算し、足し合わせたものが実際に支払う保険料になります。
国民健康保険料の内訳
- 医療分:医療機関(病院)にかかった時の給付に使われる保険料
- 支援分:後期高齢者医療の給付に使われる保険料
- 介護分:介護保険の給付に使われる保険料(40歳~64歳までの方のみ)
国民健康保険料=医療分+支援分+介護分
この3つの保険料は「均等割額」と「所得割額」を足し合わせることで算出します。
例えば、医療分の保険料は次の式で求めることができます。
医療分の保険料=医療分の所得割×基準総所得+均等割×人数
均等割額は加入人数分かかり、所得割額は世帯の総所得金額にかかります。
各保険料=(所得割×基準総所得)+(均等割×人数)
所得割と均等割は住んでいる地域によって異なり、大都市ほど安く、地方ほど高い傾向があります。
参考として、政令指定都市の横浜市の保険料率を見ていきましょう。
料率 | 所得割(%) | 均等割(円) |
医療分 | 7.36 | 34,430 |
支援分 | 2.24 | 10,430 |
介護分 | 2.65 | 14,710 |
FIRE後の国民健康保険料(モデル:40歳夫婦、高校生の子供2人)
FIRE後にかかる国民健康保険料を一般的な家庭をモデルに計算してみましょう。モデルは以下の通りです。
モデル家庭
- 家族構成:40歳夫婦、子ども18歳、16歳の2人
- 収入:投資による利益500万円
- 居住地:横浜市
総所得500万円に対し、基礎控除43万円と16~18歳のこども一人につき12万円の減免があるので、基準総所得金額は433万円となります。
基準総所得金額=500万ー43万ー12万×2=433万
この金額に所得割をかけて均等割を足した金額が保険料となります。
種別 | 保険料 |
医療分 | 4,330,000×7.36%+4×34,430 |
支援分 | 4,330,000×2.24%+4×10,430 |
介護分 | 4,330,000×2.65%+4×14,710 |
合計 | 739,270円 |
年間約75万円もの保険料がかかることが分かりました。
FIRE後は投資の運用利益でのみ生活をしていく予定なので、この額は正直かなり大きいと感じました。
500万円の投資利益だと、100万円が課税されて、さらに75万円も保険料にとられてしまう。
さらに国民年金も払うとなると手元には300万円しか残らないことに・・・
それじゃあ、FIRE後も貧乏生活を続けるってこと??
そんなの嫌だよ~。
貧乏生活を一生続ける覚悟でFIREするのは確かにキツイ。
そうしたら投資利益をもっと上げるように見直しが必要だね。
(今回は横浜市在住を前提に計算しました。住む地域によって保険料は変動するので、実際にFIRE後に住みたい地域で計算してみることをおすすめします。)
【まとめ】FIRE後は会社員よりも保険料が上がるので注意しよう
現在サラリーマンとして働いているわたしたち夫婦の健康保険料は年間約25万円です。
それがFIRE後には75万円まで増えることが分かりました。収入が減るのに対し、支払う保険料が増えるのはツラいです。
会社員の場合、健康保険料は会社と折半しているので、国民健康保険に加入するよりも保険料を低く抑えることができています。
そのため、FIRE後に保険料が大幅に増額されてしまうなんて思ってもいませんでした。
記事のまとめ
- 会社員が仕事をやめると健康保険料が増える
- 夫婦40歳、こども2人の家庭でおよそ75万円の保険料
- 保険料まで考えてFIREを計画する必要がある
FIREするときは家計の総支出を正確に知ることが大切なので、しっかり保険や税金面も考えてないと後々後悔してしまうことになりかねません。
この他、国民年金も忘れがちなので、別記事で解説しています。